黄味についてるヒモみたいなものの正体
黄味についているヒモのような白い部分。これは「カラザ」と言って卵黄を卵白の中心に固定させる命綱の役割をしています。抗菌作用の強い卵白の中心に固定させ、微生物などの汚染から守る役割があります。よく「食べてもいい?」という質問を受けますが、カラザはタンパク質豊富でシアル酸が含まれており、卵白より栄養価が高くむしろ食べたほうがいい部分です!
赤い卵と白い卵
赤い卵と白い卵の違いは単純に鶏種の違いによるものです。ですので同じ餌を同じ量食べた場合、栄養価に大きな違いはありません。赤い卵の鶏は白い卵の鶏に比べて飼料の摂取量が多く産卵数が低いため生産率が悪いのですがエサを多く食べるので栄養価を高めるコントロールがしやすくなります。ちなみに卵黄の色は飼料で変えることが可能です。
もし、たまごを温めたら・・・
タマゴを温めたらヒナは孵(かえ)るのか?
残念ながら売っているタマゴを温めてもヒナがふ化することはありません。タマゴには「無精卵」と「有精卵」があり、無精卵は「出産」ではなく人間で言う「排卵」と同じ仕組みです。人間は月周期ですが鳥は日周期。タマゴが毎日産まれてくるのはこういった理由からなのです。
卵の保存方法
卵は冷蔵庫での保存(10℃以下の保存)をおススメします。スーパーなどは常温で陳列されていますが、スーパーのような販売所は空調により一定の温度が保たれているため、ご家庭とは条件が異なります。また、冷蔵庫に保存しても頻繁に開閉するなどの理由で卵の温度変化が激しい場合は痛みやすくなりますのでご注意ください。
鳥類のタマゴだけ楕円形
魚や爬虫類のタマゴは綺麗な円形ですが、鳥類のタマゴは楕円形。1つの理由としては安産のため。鳥類は体内で卵を大きく育てるため、楕円にして難産を回避する理由があります。そしてもう1つは空を飛ぶ鳥類ならではの巣の場所。鳥は木や崖で卵を育てるので、万が一落ちて転がっても楕円なら転がり続ける確率が低くなるからです。もっともニワトリは飛びませんが。
「卵」と「玉子」の違い
厳密な使い分けはありませんが生物学では「卵」表記、調理されたものは「玉子」の使い分けが一般的です。鳥類以外は調理済みでも「卵」の使用が多く「ゆで玉子」「ゆで卵」のように例外も多くあります。たまごの円形から「玉の子」「玉子」となったため鳥類が「玉子」と言われるのはこのためです。ちなみに「先生の卵」など比喩表現では「卵」を使用していますね。